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5年間に500回以上通ってわかったバルの魅力【MALDINI】

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南3条西1丁目の交差点角で、赤いオーニングが目印の立ち飲みバル「MALDINI」オーナーの三浦さんにお店の特徴や雰囲気、一人飲みやお客さん層、今後の展望などを聞いてきました。

飲食業界に入ったきっかけ

── 簡単な経歴を教えてください。

伊達市出身で、美容専門学校の進学を機に札幌へ引っ越してきました。卒業後は、美容師として4年半勤めて、その後に飲食業界に入りました。油そばの米風亭から飲食を始めて、イタリアンで勤めた後に、現在のお店をやっています。

── 美容師だったんですね

接客に関わる仕事に興味があり、服が好きだったので、古着屋で働きたいなと思っていたんですが、専門学校は、手に職が付くものが良いかなと思って、美容師を選びました。

── 飲食はどのよう印象でしたか? 

働いていた美容室のオーナーさんは、レコードやDJブースをお店に作るような人で、ソウルバーに良く連れて行ってもらっていて、そうゆうバーのお酒と音楽がある雰囲気が好きで、憧れがありました。

あと、当時はカフェブームで、コンクリート打ちっ放しで、アンティークのソファーや椅子とか、北欧や柳宗理のモダンなスツールがあるような空間は、かっこいいなと思っていました。

── 料理はできたんですか?

当時はお金がないので、友達みんなで自炊する機会がよくあって、そこでちょっとした料理をやっていました。その時に、パスタを作ったら「美味い!」っていう反応があって、それがすごい心に響いて、こういう仕事も良いなと思うようになりました。

── 飲食業界に入ったきっかけ 

飲食店で食事する際は、メニューを見て、「食べたい」とか「美味しそう」と思って注文し、実際のビジュアルや味に満足すると、より感動が増します。

それを提供する立場で、やってみたいという気持ちが芽生えて、自分が作った料理を提供した時に、お客さんが「どんな反応をするのか見たい」と思う気持ちが大きくなったのがきっかけです。

店名の由来とお店のイメージ

── 店名の由来はなんですか?

最初の5年間は、イタリア立ち飲みの「TUTTI2」で営業していましたが、独立した際に、お店を変える意味もあって、店名を変更しました。

「MALDINI」は、イタリアのサッカー選手の名前で、音の響き重視で決めました。イタリア立ち飲みから始っているし、自分自身もイタリアが好きで、サッカーをやってるから説得力があるかなと思って。

── 外観のこだわりを教えてください

角の路面なので、赤で目立つ外観を意識しています。赤のイメージで覚えて欲しいという狙いがあって、通る人が「何の店だろう」って気にしてくれたら良いかなと思っています。

── 内装のこだわりを教えてください

イタリアとかブルッククリンのような、木と金属をメインにして、古くてシックなイメージにしていて、実際に、60年台に作られたミュシャの鏡や、アンティークのライトなどを使っています。

壁は白塗りだったんですが、途中でリニューアルしてレンガを貼りました。

オススメの料理とドリンク

── 料理はどのように決めてますか?

あくまでもベースはイタリア料理ですが、独立を機に、少しだけ酒場寄りのメニューにしています。親しみやすい酒場のメニューと、イタリア用語のメニューでバランスを取ってる感じですね。

オススメのメニューは、季節を意識していて、1週間程度の頻度で変更を加えています。暑い時は、冷製パスタやサラダ、焼き料理、寒ければ、煮込みなどの暖まるメニューを考えてやっています。

MALDINI

旬の食材以外は、意外と日常生活からパッと思いつく時もあります。スーパーに買い物に行った時に、食材を見て思いついたりとか。あとは、SNSでフォローしている投稿からインスパイアを受けたり、雑誌や料理本、他の飲食店から影響を受けることもあります。

それらを、自分の引き出しの中にインプットして、自分なりにアレンジを加えて作り直して提供しています。

── 看板メニューは何ですか?

ラザニアですね。

オープン当初から続けていて、みんながパッと思い出せるのは、ラザニアなんじゃないかな。そのくらい、ラザニアの印象は強いと思います。現在は、テイクアウト限定で提供させていただいています。

── なぜ、テイクアウト限定なんですか?

ラザニアをご注文いただけることが多くて、食べてもらえるは嬉しいんですが、色々なメニューを食べてもらいたいという想いがあって、ラザニアを外しました。
例えば、パスタとか肉料理、魚料理なども食べて欲しいし、作りたいなって思っています。

MALDINI

── ドリンクはどのようなメニューがありますか?

ワイン、ビール、リキュール、ハードリカーなどを揃えています。

── ワインはどのようものを揃えてますか?

イタリア産のミディアムボディを中心に、普通に飲んでも美味しくて、食事にも合うワインを選ぶようにしています。他国のワインも仕入れますが、全体の2割程度ですね。

── ビールはどのようものを揃えてますか?

ペローニやモレッティなど、イタリアのポピュラーなビールとクラフトビールを揃えています。

イタリアのクラフトビールは、豊富に種類がありますが、日本での認知度が低いです。その要因に、値段と厳しい仕入れの条件があります。

売値が1,000円を超えるものが多く、ビールの価格としては高く扱いづらいのと、出荷するには、1店舗で5~6ケース以上の発注が必要で、到着までに1~2週間に時間がかかります。

現在は、バラデンという種類を取り扱っていて、イタリアの中で最も有名なクラフトビールです。お客さんに、イタリアのクラフトビールを知ってもらいたいって想いがあるので、取り扱っています。

アメリカのクラフトビールも数種類をセレクトして置いています。イタリアにこだわりはありますが、美味しいものがあって、手軽な値段で提供できるなら、他国のものでも良いかなって思ってやっています。

MALDINIの特徴は活気

── お店で大切にしている部分はなんですか? 

「気軽さ」ですね。

腰を据えて飲むっていうよりは、来たい時に来て、帰りたい時に帰るというスタンス。仕事帰りとかに、「今日ちょっと寄ってみようかな」という、思いつきでパッと寄れる感じの「気軽に来れる立ち飲み屋」でやっています。

── MALDINIの特徴はなんですか? 

立ち飲みなので決まった席がなく、お客さん同士の距離感が近いので「活気」があるところです。初めてきたお客さんからは「活気のある楽しいそうな空間に入ってみたかった」とよく言われます。

外から見て、そういう雰囲気が出てるのはあれば、活気が出せてるのかなと思います。活気があって、なおかつ大人の雰囲気を作りたいので、ビールやワイン以外に、ハードリカーなどの大人の人達が好きなお酒をラインナップしています。

あとは、ちゃんと食事もできるっていう提案もしたくて、色々な使い勝手を満たせるお店にしたいですね。夏はドアを開放して、海外の立ち飲み屋さんのような雰囲気をイメージしてやっています。

海外の立ち飲み屋さんは、店内に入りきれないお客さんが店の外まで溢れていて、すごく活気があります。札幌でも外で立って飲みたいって思ってもらえるお店を目指しています。

路面の角地で、活気が通行人の方にも伝わりやすいので、「楽しそうだな」「私も飲んでみたい」と思ってもらえると嬉しいです。

一人飲みのお客さんが9割

── どのようなお客さんが多いですか?

一人飲みのお客さんが9割ぐらいです。仕事帰りにちょっと飲みたい思って来てくれるお客さんや、時間が空いたのでサクッと来るお客さん、初めて一人飲みをするお客さんも多いです。

年齢層は幅広くて、男女比は6対4ぐらいですね。

── 一人飲みのお客さんが多いですね

お客さん同士の距離感が近いので、退屈しないのと、顔見知りが増えて、MALDINIに来たら誰かに会うってことが増えていくからだと思います。初めて来た人には、嫌じゃなければ、顔見知りを増やしてもらいたいと思っています。

お店のこともよく分からないだろうし、どうしてもポツンとしがちなので、話しかけるようにしています。常連さんを絡めたり、女性は女性同士で絡めたりして。

そうすることで、初めて来た人に、居心地の良さを提供できるかなと思っています。次回も来やすいお店にしたいですね。

── お客さん同士の仲が良いですよね

ありがたいことに、仲良くしてくれていて、お客さん同士で飲みに行ったり、遊んだりしてますね。社会人になると、どうしても友達は出来にくいので、自分も含めて仲の良い関係を作れたのは、良いなと思います。

みんなが集まってなんかするとか、何かあってもこの場所に来たら誰かに会うとか、そうゆう繋がりは大切にしたいと思っています。

一人飲みのお客さんには、可能であれば、色々なお店に行って欲しいなと思っています。こじんまりしているお店や、二人以上でしか行きにくい居酒屋とも含めて、良いお店はいっぱいあります。

楽しみ方は人それぞれあるんだけど、自分が行きやすいお店が増えると、幅が広がってもっと楽しいので、楽しみの幅を広げてほしいなと思います。

やりがいはお客さんが楽しんでくれること

── 今まで運営して感じたことを教えてください。

一人でお店をやって年数を重ねると、お客さん側も自分自身もマンネリ化してくる。

何かを変えていく必要があるので、土曜日だけ昼から開けるとかお手伝いさんを入れるとか、違うエッセンスを入れて、変化を起そうと考えています。
お店を始めた当初は、子供が来るようなところじゃないと思っていたけど、今は、子供と一緒に来てほしいなと思っています。

自分も休日はパパをやっていて、お客さんの中でも、結婚して子供ができた人が出てきています。

そうゆう人が、飲みに行きたいんだけど、「子供がいるから行けない」という感じにしたくないなと。昼から開けてるのは、そういう人が来やすいかなって考えもあります。

── 最も辛かったことは?

辛い事は、忘れちゃうようにしています(笑)一人でやっているので、ネガティブな感情はお店に対する影響が大きいし、ネガティブなことを考えてもしょうがないので、ポジティブになったかもしれないです。

── 最も嬉しかったことは?

お客さんが楽しく話してるところを見るのが好きで、自分も楽しいです。自分が作ったお店で楽しんでくれるのを見ると、「やってて良かったな」と思うし、それが一番のやりがいです。大変なこともあるけど、それで帳消しにできますね。

あとは、娘から「家からまっすぐ行った赤いお店がパパのお店だよね」って言われて、ちゃんと分かってくれてるのが、嬉しいです。

今後の展望

── 開店から今までを振り返ってみて、どのように感じますか?

恵まれた環境でお店をできて、お客さんや同業者などいろいろな繋がりができたかなと思います。

── 今後の目標やチャレンジしたいことや展望を教えてください。

2店舗目をやりたいです。カウンターは、立ち飲みと座れる席があって、その奥に4名ぐらいで座れるテーブルがあるようなイメージです。

ちゃんと食事したい時は予約ができて、サクッと来るような人もいて、家族でも来れるような、色々な使い勝手で楽しんでもらいたいと思っています。

そうなると、料理も変わってくるし、お店の雰囲気も変わってきます。こじんまりした空間で立ち飲みをやるのも好きなんだけど、MALDINIでは出来ない要素を入れたいです。

── お店を一言で表すなら、どのように表現しますか?

「俺の家」ですね、遊びに来てもらう感じです。

一人飲みで来ようとしてる方へのメッセージ

── 最後に一人で飲みに来ようとしている人へ向けて、一言メッセージをお願いします。

外からだと混んでるように見えますが、意外と全然入れます(笑)お気軽に来てください。

住所 北海道札幌市中央区南3条西1丁目2-1 チトセビル 1F
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜

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