南4条西5丁目都志松ビル5Fにある「煮込ジャパン (NICOMI JAPAN)」店長の畑さんに、経歴や煮込ジャパン (NICOMI JAPAN)オープンのきっかけ、アフロにした理由、オススメの料理とドリンク、お客さんへの想いについて聞いてきました。
魚屋から料理人へ転身
── 簡単な経歴を教えてください
発寒の出身で、現在も発寒に住んでいます。高校生の時に魚屋でアルバイトをしていて、卒業後もそのまま働いていたんですが、24歳の時に、飲食をやりたいなって思って、現在まで飲食をやっています。
── 魚屋の出身なんですね
魚屋は6年ぐらいやりました。鮮魚売り場で働いてて、市場の買い付けからマネージャーなど、一通りやらせてもらって楽しかったですね。
── 飲食業界に入った理由を教えてください
魚屋の経験は色々とさせてもらったので、もっと何か勉強したいという想いや、新しいことに挑戦したいなと思ったのがきっかけです。
また、 魚屋の時に調理師免許をとったので、魚の調理だけではなく料理もやってみたいと思って飲食業界に入りました。
── 最初は、どのようなお店に勤めたんですか?
最初にスペインバルの厨房で働き始めました。
洗い物から始まって、徐々に本格的な料理を教わっていって、パスタやピザなどの基本は、すべてこのお店で教わりました。
料理長がすごい柔らかい方で、僕の魚屋のノリとか勢いを評価してくれていたので、すごい感謝しています。
スタッフ同士も仲が良くて、みんなで頑張って盛り上げていこうっていうチーム感が強くて、茶化しながらの掛け合いがあったりとか楽しかったですね。

このお店で多くのお客さんと知り合い友達も出来ました。
── 他はどのようなお店を経験されましたか?
世界の国がコンセプトの飲食店が多くて、イタリア、スペイン、アイルランド、キューバなど、8か国ぐらいの料理をやりました。
── 多様ですね、国が変わると大変じゃないですか?
国が変わるごとに、違うお店に食事に行って勉強してきました。性格的に色々やりたいタイプなので、僕には合ってましたね。
煮込ジャパン (NICOMI JAPAN)をオープン
── オーナーの笈川さんとはどのような関係ですか?
僕がキューバのお店で働いている時に、週に1回だけ自由に営業して良いって日があって、自分でお客さんを呼んで朝まで営業していました。
そこでオーナーの笈川と出会って、独立するタイミングで誘われ、現在に至ります。料理人なのに、色々やってるのがすごい新鮮だったみたいです。
1店舗目に、ALWAYS HAWAII(オールウェイズ ハワイ)、2店舗目に、VIVA MEXICO(ビバ メヒコ)、3店舗目で、煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)をオープンしました。
── 煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)をオープンした経緯を教えてください
及川と一緒の店でテンション上げて働きたいよねって話しをしていて、テナントを探していたんですが、2人でやるようなちょうど良いテナントが見つからなくて、1人で今の店舗をやることになりました。
僕がプライベートで飲むときは、落ち着く雰囲気の居酒屋が好きなので、居酒屋を軸に何をメインにするかなって考えて、煮込み料理を選びました。

── 店名の由来を教えてください。
ALWAYS HAWAII(オールウェイズ ハワイ)とVIVA MEXICO(ビバ メヒコ)は、国名の由来で2行の表記にしているので、3店舗目も、国名と2行で表記させてチーム感を出したいと話し合っていました。
ジャパンを入れるかをすごい悩んだんですが、店名でジャパンを使ってるのは、なかなか無いなってなって、メイン料理の煮込みと合わせて、煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)にしました。
── 内装のイメージを教えて下さい
店名にジャパンと付いちゃってるんで、外国の方から見た日本をイメージしています。
ハリウッド映画に出てくるような感じとか、海外の日本料理屋さんとか、ちょっとズレた日本ですね。
働いている僕もアフロで、日本料理とはちょっとズレてるんで、ズレた日本がちょうど良いかなと思っています。

国旗の赤をベースに、提灯で明るくして、ちょっと古い歌謡曲を流して懐かしいと感じてもらえる様にしています。

カウンターの上にあるイラストは、ワサビってよく言われてたんですよね。本当は、しめ縄なんで、実物のしめ縄を買ってきて付けました。

── インスタ映えしますよね
そう言っていただけると嬉しいですね。今後も徐々に装飾を増やして行こうかなと思ってます。

一緒に写真撮ってくださいって言われることも結構あって、僕で大丈夫ですか?っていつも思っています(笑)
── カラオケもできるんですね
そうなんですよ。
5名から貸切をやってるんで、宴会の時や遅い時間の営業で、仲の良いお客様しかいない時などに歌っています。遅い時間はスナック感覚ですね。
誕生日のお客様がいたら、いきなり僕がバースデーソングを歌います。誰も求めてないんじゃないかなって思いますが(笑)

飲食の面白さはアフロで気が付いた
── なんでアフロにされたんですか?
元々は普通の長髪で、厨房にこもるようなスタイルで働いました。
たまたま、お客様に料理を持って行く機会があったんですが、ちょっとした会話ができなかったんですよね、料理名を言って終わりみたいな…。
僕は、料理を持って行った時に、なんとかお客様と会話できないかなと考えていたときに、当時のオーナーから、髪長いからアフロできるんじゃないって冗談で言われて、アフロをやってみたんですよね。
アフロにしてから料理を持って行ったら、「えっ、作ってる人ですか?」ってお客さんから話しかけてくれたり、すごい会話が弾んで、すぐに仲良くなれたんですよね。

そこで初めて、飲食って面白いなって思いました。
飲食の本質は、お客様に美味しい料理と接客で喜んでもらうってことで、料理だけやっている時は、飲食の本質が分かっていなかったと思います。
そこから10年ぐらいアフロにしています。アフロにした途端、オーバーオールが似合うようにもなりました(笑)
煮込み料理と創業30年のおでん
── 提供する料理に対するこだわりを教えてください
色々な煮込み料理を提供していこうと考えていますが、根底にあるのは、暖かいもので食べた時に感じる懐かしさやを意識しています。

あとは、元魚屋の経験を活かして、魚のお造りを提供しています。寿司下駄に乗せて提供していて、持っていくとお客様に喜んでもらえるんですよね。

── オススメのメニューを教えてください
子羊の塩煮ですね。
もつが煮込み料理の主流ですが、羊は北海道の名産ですし、塩味はインパクトがあって美味しいので、オススメしています。

「みの久」さん直伝のおでんもオススメです。
「みの久」さんは、創業30年の老舗おでん屋さんで、大将は「おでん一平」さんっていう有名なおでん屋さんで修行したそうです。
僕も好きで通っていたんですが、煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)の物件を探している時に、大将の年齢もあって閉店することなったんですよね。
寂しいって話をしていたら、煮込みっていうことで、おでんを教えてくれることになりました。
── 創業30年のおでん屋さんから教わるって凄いですね
そうなんですよね。なんか気に入ってもらえて(笑)
「みの久」さんのおでんは、大根がすごい美味しくてオススメです。あっさりした味付けで、ちょっと味噌をつけたりしても美味しいです。熱燗を合わせると、ほっとしますね。

お店に入ってすぐのところに、杉玉っていう日本酒の酒蔵に飾るものがあるんですが、僕の頭が似てるってことで、みの久の大将さんから「もう閉まるから持ってけ」って言ってもらっちゃいました(笑)
あとは、おでんを温める機械とか、額に入ってある飾りとか色々いただきました。

伊勢神宮に献上されている唯一の日本酒
── 提供するドリンクに対するこだわりを教えてください
煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)なので、日本らしいものにこだわっています。
日本酒は、みの久さんから紹介してもらった、白鷹がオススメです。
白鷹は、伊勢神宮に献上されている唯一の日本酒で、天皇陛下にも関係する歴史のあるお酒ですね。
札幌では、煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)以外の取扱いは無いと思います。
値段は全然高くないので、ぜひ飲んでほしいですね。

ビールは、生のキリンラガーを出しています。
キリンだと一番搾りが多いんですが、ラガーは懐かしい感じがするし、苦味の強いくて飲んだときに美味しいなって思うので扱っています
ラガーの他に、瓶でサッポロの赤星を用意しており、ハイボールや焼酎もあります。

お客様との距離が近いので癒しや気遣いを意識している
── お店で大切にしている部分はなんですか?
小さい店でお客様との距離が近いので、穏やかで仲良が良い雰囲気でやらせていただいています。
お客様に「落ち着く」とか「癒される」って思ってもらえるように意識していて、帰るときに、家みたいだったと思ってもらえたら嬉しいですね。
僕は、一度ご来店いただいたら良い意味で家族に近いように思っています。
── お店の強みはなんですか?
お客様との距離が近いので、出来る範囲でお客さんに寄せた気遣いができる部分です。
お店のメニューやコンセプトはあるんですが、薄味にしたり、好物があれば少し沿えたり、ちょっとした気遣いをできる範囲で対応させていただいています。
── 良いサービスを提供するために工夫している点はなんですか?
一人で営業していますが、プロとしてお客様を待たせるのは、よろしくないと考えているので、お客様が席に座ってとりあえず一杯を早く出せるように、オペレーションを工夫しています。
煮込み料理は、一人でも短時間で提供できるので合っているんですよね。

── イベントはやられてますか?
日本の家庭で食べる特有の食文化をテーマに、月1回ぐらいのペースでやっています。
この前は、元魚屋の経験を活かして、手巻き寿司のイベントをやりました。僕が巻いて振舞ったんですが、意外と好評で80本ぐらいは巻きましたね。
次は、しゃぶしゃぶとかやりたいです。
お客様同士が仲良くなるカウンター
── お客様の層を教えてください
男性が6割、女性が4割ぐらいで、20代の若い方にもご来店いただいてますが、30代~40代の方が多いですね。
── 一人飲みのお客様はどのくらいいますか?
一人飲みで来られるお客様が多いです。
特に平日は、ほとんど一人飲みのお客様で、ちょっと時間が空いたときとか、飲み会前や後とかに来てくれます。
外で看板を見て、気になったから来てくれた一人飲みのお客様もいます。1階の路面だったら入りやすいですけど、ビルの5階なので来てくれて嬉しいですね。楽しく飲んでいってもらえればなと思っています。



── 一人飲みのお客様に何を提供できると思いますか?
カウンターはお客様と話しやすいので、ちょっとフランクに接することを意識しています。
寂しくなくて過剰にならないソフトな接客で、1回は笑わせたいですね。僕のアフロや外見をみて笑っても良いので、1回は笑顔になって欲しいです。
初めて来たお客様には、アフロの人が働いてるとは思わなかったって言ってもらえます(笑)アフロにしたきっかけの話しなどをして、そこから仲良くなったりします。
こうやってお店に立ってないと出会えない人が多いので嬉しいですね。
── カウンターのお客さん同士も仲良いですか?
仲良くなるんですよね。
自然と話が聞こえるぐらい隣同士の距離が近いので、僕がちょっと繋げて会話する感じが多いですね。色々な職業やコミュニティーの方がいるので、繋がって盛り上がるったら面白いかなと思っています。

実際に、良い出会いがあって盛り上がったりするので、お客様同士の人の輪もどんどん広がってますね。違うお店に一緒に飲みに行って、その後一緒にご来店いただいたりとかもあります。
お客同士が仲良くなるのは、すごいハッピーですね。
ここで出会って仲良くなるお客さんを増やしたい
── 今まで最も大変だったことはなんですか?
オープンの時ですかね。
内装を作るために早い段階から動いていたんですが、和のテイストは今までと違うので、何かと後手後手に回ってしまって、ギリギリでオープンしました。
料理に関しても、色々な国の煮込み料理はやってきたんですが、 今まで日本の特有の優しい味付けは無かったので苦労しました。
おでんは、みの久の大将には基本しか教わっていなくて、あとは自分で工夫してやりなさいという感じなので、味が落ち着くまでは苦労しました。
出汁が1日経つと全然違う味になってしまうんですよね、おでんの深いところです。

── 今の仕事を続けるモチベーションはなんですか?
もっとたくさんのお客様にご来店いただきたいですね。
そこから輪を広げて、面白いお客様がいるお店にしていきたいのと、煮込ジャパン(NICOMI JAPAN)で出会って仲良くなるお客さんを増やせればなと思ってます。
お客様に寄り添うお店を目指す
── 開店から今までを振り返ってみて、どのように感じますか?
まだまだやりきれてない部分があるし、もっとお客様のリアクションでどんどんお店を変えていって、お客様に寄り添うお店にしたいですね。
── 今後の目標やチャレンジしたいこと、または展望を教えてください
一人飲みのお客様をどんどん増やして、お客様同士のグルーヴ感を作っていきたいです。
楽しんでもらうお店にして、イベントや催し物でアクセントをつけて、僕も刺激をもらいつつ営業していければ良いなと思っています。
── お店を一言で表すなら、どのように表現しますか?
「家族」です。
一人飲みで来ようとしてる方へのメッセージ
── 最後に一人飲みで来ようとしてる方へメッセージをお願いします
怖がらずに入ってきてください、僕が楽しい話も辛い話も聞きます!よろしくお願いします!

煮込ジャパン (NICOMI JAPAN)
住所 | 北海道札幌市中央区南4条西5丁目 都志松ビル 5F |
電話番号 | 090-1387-2531 |
営業時間 | 平日 18時〜翌1時 金曜・土曜・祝前日 18時〜翌3時 |
定休日 | 不定休 |
系列店 | VIVA MEXICO(ビバ メヒコ) |