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一人飲みでも寂しくないコミュニケーションツール【立ちっぱ酒 せいすスタンド】

せいすスタンド

南3条通りの西1丁目で、ひときわ大きな暖簾が目を引く「立ちっぱ酒 せいすスタンド」

運営会社の株式会社アンドセイス(& SEIS.inc)代表取締役 梶原剛さんに、お店の成り立ちやこだわり、お客様への想いや、今後の展望について聞いてきました。

飲食業界に入った経緯とキャリア

── 飲食業界に入った経緯を教えてください

高校を卒業して、就職先のホテルで飲食店部門に配属されたのがきっかけです。

── 飲食業界のどんなところに惹かれましたか?

当時は、飲食にあまり興味がなくて、幼少の頃からおばあちゃんの晩御飯の支度を手伝う程度でした。

高校で野球部に所属していて、監督が部員の就職を面倒みるのが通例だったので、監督から「お前はホテルマンになりなさい」って言われて就職しました(笑)

梶原さん

ホテルは3年で辞めて、23~24歳の頃に東京へ行って、住み込みで手羽先屋さんに勤めました。そこが、飲食の店舗で働いた最初のキャリアですね。

そこから、焼鳥やフレンチなど様々な飲食店を経験し、2015年に独立開業して4店舗を展開した後、2018年の8月に「立ちっぱ酒 せいすスタンド」をオープンしました。

店内

「せいすスタンド」の成り立ち

── 店名の「せいす」の意味を教えてください

亡くなった祖母の名前「せい」からとっています。「せいす」は、「大好きだったおばあちゃんに捧げる店」を作ろうと思いつけました。

社名のロゴに「清く、正しく 美しく」と記載していて、どこかでおばあちゃんが見ていても、「胸を張れるよう」にいう想いがあります。

もう1つの意味が、スペイン語で「6」という意味です。

せいすスタンドより前に出店した「酒と銀シャリ せいす」が狸小路6丁目なのと、当時の社員が6人だったので、6にあやかりました。

── 立ち飲みをやろうと思った理由を教えてください

ここの物件が出た時に、店内を見て「ここは、立ち飲みだな」直感しました。

酒と銀シャリ せいすの立ち飲みバージョンで、料理やお酒を安く提供できれば良いなと思って、「せいすスタンド」にしました。

立ち飲み文化は、東京では根付いているけど、札幌の人は、なかなか立って飲まないので根付かないと言われいて、挑戦したいっていう想いもありました。

暖簾の狙いと遊びのあるデザイン

── 暖簾が印象的ですよね

暖簾は、風物詩的に季節で変えてます。

札幌は、のれん文化があんまりないんですが、東京の日本橋や銀座のお店は、ドーンと大きい暖簾があって良いなと思ってて、名前も華々しく表示しようと思いました。

外観

ファサード(お店の外観)は、店の顔なので、しっかり作りこみたい。店構えで、上手に象徴的な顔を作れるように、路面で間口の広い物件を狙ってます。

ファサードが無いと、お店として不完全に感じてしまうんですよね。

お店の顔で、「何だこれ」って興味をもってもらい、更に、店内の盛り上がりを見えるようにすることで、お店のイメージを伝えやすい。

但し、暖簾が短すぎてもダメで、誰がいるのか「わかるようでわからない」ようにして、お店の表情を作っています。

── 内装のイメージを教えてください

立ち飲みのイメージは、「おじさん」「汚い」「ガチャガチャしてる」というのがありますが、それらを全て払拭しました。

白を基調にして、明るくクリーンで女性が入りやすいけど、昭和の雰囲気を出しつつ、どこか懐かしくもあり、新しくもあるっていうイメージです。

盛り上がる店内

制服も内装に合わせて、ちょっとおしゃれで可愛い割烹着にしてます。こちら白を基調とて、女性スタッフの表情がパッと明るく、清潔感がでるよう狙っています

── 小物のデザインがオシャレですよね

普通は消耗品に極端に予算をかけないけど、うちは遊び心を満点に持った会社なので、こだわっています。

デザイナーさんへの発注は非常に厳しくて、真面目なデザインが来たら怒る(笑)置きにいくな、もっとふざけろって言っていて、半分ふざけて遊びながらやってます。

デザインは定期的に変えようかなと思っています。いつも来てくれるお客様に、「あ、変わってる」って思ってもらうようにしたいですね 。

コースター

料理が美味しいのは当たり前

── 提供する料理に対するこだわりを教えてください

僕が食べて「これ、美味しいな」と思ったものを出しています。

飲食店が提供するものは、料理、飲み物、空間、時間、人なので、その中の料理が美味しいというは当たり前だと思っています。

── インパクトがあるメニューが多いですが、どのように考案してますか?

基本的に、僕が全メニューを考えてます。

お店を作る際に、全体のイメージができたら、メニューは何にするかなーって、夜中に1人で考えて書き出しています。

サバサラみたいに、写真栄えがするし美味しいものや、地味だけど美味しいものや、売れなくても10人に1人は喜ぶなってものとか、バランスを考えてますね。

野球で例えると、レギュラーから補欠まで揃っているっていうイメージです。

料理

── オススメのメニューを教えてください

ノドグロです。

すごく美味しいのですが、札幌ではあまり浸透してないので、皆さんに食べてもらいたいなっていう想いがあります。

ご紹介を兼ねてやっていて、この値段で食べれる所は中々ないと思います。

価値を見出せるお酒をリーズナブルに提供

── ドリンクはどのように選んでいますか?

焼酎や日本酒は、500円価値を見出せるものを選んでいます。

特に「黒木本店謹製焼酎」はオススメです。

黒木本店さんは、宮崎県にある明治18年創業の酒蔵なんですが、攻めてる商品が多くて好きなので、ここの焼酎をフルラインナップしています。

なかなか入荷しづらい商品も多いんですが、うちは比較的リーズナブルに提供しています。特にメニューに★がついてるものは、希少価値が高いので、おひとりさま1杯限りでお願いしています。

黒木本店謹製焼酎

他には、おでん出汁で割った「ダシ割酒」や「あの頃のジュースで中ハイ」などがオススメです。

ダシ割酒
ダシ割酒

誰もやらない新しいことに挑戦

── 店舗運営で大切にしている部分はなんですか?

清潔感があるお店で、スタッフの愛嬌があって、料理は全部美味いっていうは、基本中の基本で、そうじゃないといけないと思っています。

当たり前のことを当たり前にやる。一番難しいんだけど、そこはしっかりやろうと心がけてます。

── お店の強みはなんですか?

札幌で「他にありそうで無い」という部分です。

せいすスタンドのようなイメージの立ち飲みは、無かったと思うんですよね。

既存のマーケットに無くて、誰もやらない新しいことに挑戦していきたいと思っています。

あとは、様々な切り口というか、ご来店いただけるきっかけを意図的に作っています。

「せいすの立ち飲み」「おでん食べたい」「焼酎や日本酒を安く飲みたい」「人とのふれあい」など、様々なエッセンスを入れながら、きっかけをふんだんに設けています。

誰もやらない新しいことに挑戦

「せいすスタンド」はコミュニケーションツール

── お客様の年齢層や性別を教えてください

年齢層は幅広くて20代~60代まで、男女比は半々ぐらいですね。

15時から営業しているので、早めの時間帯は、色々な世代のお客様にご来店いただいていて、遅い時間は、若めのお客様が多いですね。

── どのように利用される方が多いですか?

0次会から3次会、4次会まで幅広くご利用していただいています。

最も多いのは、2人でご来店いただくお客様ですが、 デートで利用するお客様や、団体で来るお客様もいますし、もちろん 一人飲みのお客様もいます。

── 一人飲みのお客様に、何を提供できると思いますか?

人とのふれあいですね。

せいすスタンドは、コミュニケーションツールなので、一人で来ても全然寂しくないと思います。

スタッフも喋るし、お隣のお客様同士が仲良くなって会話することもありますし、仲良くなった方と再会することもあります。

人とのふれあい

毎日楽しくてこんな良い人生はない

── 今までも最も苦労したことはなんですか?

超ポジティブで、苦労を苦労だと思ってないです(笑)苦労があったとても、その後に何かいいことあると思って、喜んで苦労しますね。

お店に関しては、始める段階で作りこみをして、頭の中で「これでいくぞ」っていうのは決まっているので、悩まないし、迷わないです。

── 最も楽しかったや嬉しかったことはなんですか?

毎日充実していて、こんな良い人生はないと思っています。

立ち飲みが根付かないって言われていた中、大通のど真ん中で挑戦して、良い結果になったのは、大変喜ばしいです。

手前味噌ですが、 せいすスタンドは自分でも良いな、行きたいなって思うお店です。

カウンター

── 今の仕事を続けるモチベーションはなんですか?

毎日多くのお客様にご来店いただき、期待していたいただけてると思うので、この部分は、モチベーションになっています。

── 今後の展望を教えてください

自分が良いなっていうお店を淡々とやり続けたいですね。

流行には目をくれず、独自の路線で、その時々に表現したいお店に、お客様が喜んで来てくれたら最高だと思っています。

流行り物をやったことがあるんですけど、やっぱり面白くないので気持ちが入らない。「せいす」だとググッと気持ちが入るので、やっぱこれだなと、すごい反省しました。

あとは、お店を長く続けたいという想いがあって、老舗になってくれれば、本当に良いなと思います。僕がいなくなった後でも、せいすスタンドが存続していて欲しいです。

自分が良いなっていうお店を淡々とやり続けたい

引退したら、定食屋の親父にでもなりたいと思ってます。小さい頃の家の食事を思い出すようなご飯とおかずのお店です。

── 立ち飲みをさらに出店する予定はありますか?

立ち飲みは、もう一店舗やりたいなと思っています。物件を見てから業態を決めているので、路面でハマる物件があれば良いですね。

あとは、違った形の「せいす」が、もう一つぐらいあってもいいかなと思ってます。

物件が出てから「ここだったら、こうだな 」 っていうの決めていくんで、物件が出たら考えて、はまるなと思ったらやります。

振り返ってみると感謝の想いしかない

── 今までを振り返ってみて、どのように感じますか?

ここまで成長できたのは、すごくありがたいと思っていて、お客様に大変感謝しております。従業員にも日々頑張ってもらっていて、感謝の想いしかないです。

── お店を一言で表すなら、どのように表現しますか?

子供」です。未だ独身ですけど・・・。

産みの苦しみから、非行に走らないように育てる感じですね。

一人で飲みに来ようとしている方へ

── 最後に一人で飲みに来ようとしている方へ向けて、一言メッセージをお願いします。

あなたもせいすスタンディングしないか!

せいすスタンド

住所北海道札幌市中央区南3条西1丁目2-1 チトセビル1F
電話番号 011-206-8885
営業時間月曜日 ~土曜日 15:00~25:00
日曜日 ・祝日  15:00~23:00
定休日 年中無休

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